今回は弁護士のWeb集客の方法について解説します。
みなさんは弁護士事務所を利用されたことはありますでしょうか?
利用したことがある方は少ないと思いますが、こんな時に利用する可能性があります。
- 離婚することになり養育費、親権で協議することになった。
- 借金が膨らみ破産をしたい。または、債務整理を行いたい。
- 親が高齢の為 相続の相談、手続きをしたい。
- 医療事故に巻き込まれ、相手(病院や製薬会社など)を訴えたい。
- 会社の社長をしており、取引の際の法的確認をしてもらいたい。
- サラリーマンをしていて上司のパワハラや会社の残業未払いについて相談したい。
意外に多い印象ではないでしょうか?
老若男女、時期を問わず弁護士は仕事を依頼されます。また、すぐ相談したい依頼者もいれば、いつか時間があれば相談したいと考えている依頼者もいます。そのため弁護士の担当している業務は多岐でありながら時間を選ばないという特徴があります。。
今回は弁護士事務所のサイトを分析することによって集客の方法について考えていきます。
スポンサードリンク目次
弁護士ポータルサイトからのWeb集客
弁護士が紹介されている6サイト(東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、法テラス、法律相談センター、弁護士ドットコム)を比較してみました。
先ず弁護士会ですが東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の3つが存在します。
多くの方は知らないですが、この3つ弁護士会の業務内容に違いはありません。ただし、今までの設立までの成り立ちや所属弁護士の傾向から第一東京弁護士会は保守的、第二東京弁護士会は革新的といった傾向があります。(弁護士の方のブログをいくつか拝見してもそのような記述がありました。ただし、弁護士初心者の方にとってはあまり関係ない。というよりも保守的弁護士、革新的弁護士といってもピンとこないですよね。(笑))
法テラス(日本司法支援センター)は経済的に余裕がない方のために無料の法律相談をしてくれるところになります。もともと政府が主導して設立された法律機関になります。
法律相談センターは東京の3つの弁護士会が協力して設立された機関になります。(法テラスとの違いが分かりづらい。。。)
弁護士ドットコムは民間企業(弁護士ドットコム株式会社)が運営している弁護士ポータルサイトになります。
それでは各サイトの特徴や解析ツールを使った数字を見ていきましょう。
東京弁護士会
東京弁護士会
公式ホームページ: 東京弁護士会
コメント: トップバナーが武井咲で弁護士会というのは意外に今っぽい感じなんだなとすこし驚きました。全体的に情報は探しやすく、白を基調とした清潔なイメージのWebデザインです。さらにSNS対応(Twitter)、「ポケ弁(=ポケットに弁護士を)」というアプリもリリースしています。印象としてはすごく親しみやすいです。
第一東京弁護士会
第一東京弁護士会
公式ホームページ: 第一東京弁護士会
コメント: トップバナーが武井咲で東京弁護士会と同じですが、サイト構成を見ると全然違います。どちらかというと役所のホームページのように、(良くも悪くも)目的達成型のサイト構成です。相談したい内容ごとに弁護士は探せるので基本的には困らないです。
第二東京弁護士会
第二東京弁護士会
公式ホームページ: 第二東京弁護士会
コメント: あれ?第二弁護士会だけ武井咲がいないなと思ったら、他のページに登場していました。トップページを見てすぐわかると思いますが、東京弁護士会以上にラフな感じのデザインです。説明にイラスト(マンガ)を使用したり、子供向けのコンテンツがあるなど一般企業でもなかなか見れないような親近感を感じます。
法テラス
日本司法支援センター 法テラス
公式ホームページ: 法テラス
コメント: 初心者にとっては法テラス??となってしまいそうですが、トップバナーで無料で相談できるところなんだなと安心して初心者でも利用できる印象を持てます。「国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。」ともしっかり書かれているので、ユーザーが躊躇せず問い合わせができるという点で一番重要な目的は達成できています。また、海外の国旗のイラストから海外の方も受け付け書ぬであることが一目でわかり、サイト自体は丁寧に作られています。
法律相談センター
法律相談センター
公式ホームページ: 法律相談センター
コメント: こちらは「法律相談センター」としっかり明記されているので、誰にとっても間違えることはなさそうです。電話無料相談と書いてあるし、初心者にとってはとっつきやすそうです。先ずは相談予約をしてくださいというメッセージ性は強く感じます。
弁護士ドットコム
弁護士ドットコム
公式ホームページ: 弁護士ドットコム
コメント: 弁護士ポータルサイトといえば「弁護士ドットコム」というくらいの知名度になっています。トップページでよくある相談順にコンテンツが並んでいる点や弁護士自身がコメントを投稿できるなどコンテンツ面でも優れた設計になっています。専門的にはCGM(=Consumer Generated Media:ユーザー自身がコンテンツを作っていく)と呼ばれる手法です。開業枯れたばかりの弁護士の方にとって簡単な情報であれば無料で掲載できます。さらに掲載したい情報を増やしたい場合は有料でオプションを付けることができます。
弁護士ポータルサイト(6サイト)の比較結果
6サイトを比較してみると非常にわかりやすい結果となりました。
サイトとして数字が良かった順番としては「弁護士ドットコム」、「法テラス」、「第二東京弁護士会」の順になります。
弁護士ドットコムと弁護士会は同じ弁護士情報を掲載しているにも関わらず30倍以上のアクセス数の差があります。
また、法テラスと法律相談に関してもほぼ同様のサービスを提供しているにも関わらず10倍以上のアクセス数の差が出ています。
月間訪問数 | ページ滞在時間 | 訪問当たりのページ数 | 直帰率 | |
東京弁護士会 | 13万3千 | 2分8秒 | 3.75 | 51.19% |
第一東京弁護士会 | 1万2千 | 1分45秒 | 1.57 | 77.27% |
第二東京弁護士会 | 5万2千 | 1分42秒 | 5.95 | 47.95% |
法テラス | 26万8千 | 2分55秒 | 3.60 | 53.28% |
法律相談センター | 2万 | 54秒 | 1.95 | 57.29% |
弁護士ドットコム | 300万 | 3分4秒 | 2.93 | 56.31% |
次になぜこんな大きな差ができているのか、各サイトの流入元について詳しく確認していきます。
先ず全てのサイトが検索経由(※第一東京弁護士会だけ他サイトからのリンク)でユーザーを集めていることがわかります。
弁護士ドットコムがいかに検索(=つまりコンテンツ内容やSEOが優れている結果)からユーザーを集めているかがわかります。
お気に入り | 他サイトから | 検索 | SNS | メール | ディスプレイ広告 | |
東京弁護士会 | 24.38% | 7.48% | 55.42% | 10.6% | 2.13% | 0% |
第一東京弁護士会 | 14.91% | 44.74% | 40.35% | 0% | 0% | 0% |
第二東京弁護士会 | 13.59% | 12.74% | 73.51% | 0% | 0% | 0% |
法テラス | 17.66% | 12.15% | 69.05% | 0.43% | 0.71% | 0% |
法律相談センター | 25.44% | 10.84% | 63.72% | 0% | 0% | 0% |
弁護士ドットコム | 15.02% | 12.56% | 64.88% | 6.59% | 0.77% | 0.2% |
さらに検索経由の中身について詳しく見ていきましょう。
ここでは法テラスと弁護士ドットコムに絞って確認していきます。
下の表からわかるように「弁護士」というキーワードでいかに上位表示されるかがポイントになっています。
また、検索数が多い「交通事故 弁護士」「離婚弁護士」「相続」についても検索広告でカバーしていることがわかります。
自然検索割合 | 自然検索キーワード | 検索広告割合 | 検索広告キーワード | |
法テラス | 95.51% | 法テラス 法テラスとは 法テラス東京 |
4.49% | 法テラス 法テラス費用 弁護士 |
弁護士ドットコム | 99.42% | 弁護士 弁護士ドットコム |
0.58% | 交通事故 弁護士 離婚弁護士 相続 + 地名 |
有名な弁護士事務所サイトのWeb集客
次は弁護士ポータルサイト(主に弁護士ドットコム)以外でも見込み顧客を集客できる方法はないかと考えました。
ということでCMでも有名なアディーレ法律事務所様とアヴァンス法律事務所様の自社サイトを分析することで集客について考えてみます。
アディーレ法律事務所
弁護士法人アディーレ法律事務所
公式ホームページ: アディーレ法律事務所
コメント: 日本でもっとも有名な法律事務所の一つ「アディーレ法律事務所」です。全国80か所以上で45万件の実績があります。テレビCMでバンバン放送しているためほとんどの方は知っているのではないでしょうか? トップページのバナーもシンプルでわかりやすさを重視しています。テレビCMで集客したユーザーをホームページで無料相談の問い合わせをしてもらうという導線を意識したサイト設計をされている印象です。大きなマーケット(債務整理)に対して大手弁護士事務所の強みを生かしてサービス提供をされています。
アヴァンス法律事務所
アヴァンス法律事務所
公式ホームページ: アヴァンス法律事務所
コメント: アディーレ法律事務所に学ぶ有名弁護士事務所の「アヴァンス法律事務所」です。過払い請求、債務整理に特化してサービス提供を行っています。初期費用が0円であること、女性専用窓口があることが特徴的です。
有名弁護士事務所の比較結果
結果としては、アディーレ法律事務所の訪問数が圧倒的に多かったです。
特にアディーレ法律事務所はサービス別に10近くのホームページ(債務整理以外に離婚、B型肝炎、交通事故、企業法務など)が存在しており、Web対策を細やかに対応することで、サービス別に検索結果の上位に自社サイトを表示させアクセスを稼いでいると思われます。
月間訪問数 | ページ滞在時間 | 訪問当たりのページ数 | 直帰率 | |
アディーレ法律事務所 | 22万 | 2分38秒 | 2.91 | 47.68% |
アヴァンス法律事務所 | 1万未満 | 2分29秒 | 6.03 | 63.69% |
また、流入についても分析してみました。
両社とも検索からの割合が高いですが、アディーレ法律事務所がお気に入り、SNS、メールからの流入があることが特徴的です。ユーザーをしっかりリピーター化していることとアフターフォロー(メールなど)もきちんと行っていることがわかります。
お気に入り | 他サイトから | 検索 | SNS | メール | ディスプレイ広告 | |
アディーレ法律事務所 | 23.45% | 11.03% | 64.65% | 0.73% | 0.14% | 0% |
アヴァンス法律事務所 | 0% | 25.58% | 74.42% | 0% | 0% | 0% |
最も大きい割合の検索経由からの流入について詳しく見てみましょう。
ここでもアディーレ法律事務所が特徴的です。
両社ともCMの効果で社名からの流入が多いですが、アディーレの場合はさらに「債務整理」というキーワードからの自然流入も多いです。(=サイトの設計で「債務整理」というキーワードに対策を行っていることによる効果)
「債務整理」というキーワードを検索した人の中で、CMの印象から「アディーレ」という言葉に反応する人も少なくないと予想されるため、相乗効果も発生しているはずです。
また、検索広告についても確認してみるとアディーレは「過払い金」というキーワードからの流入が多いです。
これはサイトの設計で対応できていない部分(=「過払い金」)を補っていると思われます。
自然検索(=SEO)と検索広告(=リスティング広告)をうまく併用している好例になります。
自然検索割合 | 自然検索キーワード | 検索広告割合 | 検索広告キーワード | |
アディーレ法律事務所 | 82.94% | アディーレ アディーレ法律事務所 債務整理 債務整理 弁護士 過払い金 |
17.06% | アディーレ アディーレ法律事務所 弁護士 過払い金 過払い金 評判 |
アヴァンス法律事務所 | 100% | アヴァンス法律事務所 アヴァンス法律事務所 借金 アバンス新宿 アバンス 過払い金手数料 |
0% | – |
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